ランナーの皆さん、こんにちは。ランニングコーチの松井祥文です。2016、2017に引き続き、京都マラソン2018の攻略アドバイスを担当し、レース当日に向けて皆さんをサポートしていきます。
2016大会の攻略アドバイスでは共通編とさらに初心者編と中上級者編に分けてアドバイスをしてきました。また、2017大会では初完走応援編とサブ3.5・サブ4応援編としてアドバイスを重ねてきました。
2018大会では、ホームページでの攻略アドバイスの内容と連動する形で、理論と走練習をセットにした「トレーニング実践編」と題した講習会を行います。10月から毎月1回、計5回にわたり京都マラソンのスタート会場となる西京極総合運動公園(京都市右京区)内で、私を含めランニングコーチが直接指導する機会を設けますので、こちらも是非ご参加ください。
2018大会の攻略アドバイスでは、京都マラソン当日まで4~5ヶ月のこの時期に、フルマラソンに取り組むランナーにとって必要な知識を過去のアドバイスを参照し整理しながら説明していきます。
その後、京都マラソン当日まで3ヶ月を切る11月以降の後半の回では、レースの結果に最も関連する練習、ロング走での走りこみ法について具体的なプログラムを提示していきますので楽しみにしてください。
1回目:まずは・・・「フルマラソンの基礎力」アップ!
今回は、市民ランナーにとって必要な走力アップの基本ポイントを説明します。
走力アップを考える際に、ランニング記事で‘ある目新しい練習法’を知ったり、あるいは自分より走歴が長く走力が上の仲間などから「君もこういう練習をしたら・・・」と言われたりして、その練習に熱心に取り組んだ経験がある人も少なくないでしょう。
しかし、その‘ある練習’、‘こういう練習’に集中したり、特化したりする前に、どのようなランナーにも共通して必要な基本的な取り組みや練習法が存在します。以下の5項目は、フルマラソンの走力アップを下支えする基本のポイントです。この項目の中で、今まで出来ていないこと、取り組めていないことがあれば実施し、「フルマラソンの基礎力」を高めていきましょう。
① 練習を継続する、習慣化すること
マラソンは、技術より体力アップが必要な運動です。体力は、今までより長い時間、距離を走ることを習慣化することで徐々に高まっていきます。定期的に走れていない人は、2016大会アドバイスの「運動を習慣化しましょう」の部分を参考に取り組んでいきましょう。
走歴が長いランナーも、1年間を通じて練習量にムラがあるランナーが多いようです。特に歳をとると一旦低下した体力を元のレベルまで戻すには時間がかかり、さらにその回復過程に辛さをより感じるようにもなります。年間を通じてコツコツ継続すること、それを毎年繰り返すことが、マラソンの基礎力を維持するための土台とも言えます。
習慣化には、フェイスブックなどSNSで自分のランニング状況を友達や仲間に発信することで継続への刺激になります。練習会、講習会、イベントに参加することも良い刺激になり、頭打ちしていた記録が伸びだすことにもつながります。
② ケガを防ぐこと
ランニングが習慣化できれば体力、走力は間違いなくアップしていきますが、ケガ(ランニング障害)が起こるリスクもアップしていきます。ケガで走れない期間があると体力、走力は間違いなくダウンしていきます。
スポーツドクターの原邦夫先生の予防アドバイスを参考にして、ランニング障害について知り、
「2016大会攻略アドバイス 第3回(初級編)」のビデオ内のストレッチを習慣化しケガを予防していきましょう。
③ 体重をコントロールすること
マラソンは、自分のカラダをいかに楽に無駄なく前へ進めていくかがポイントの運動動作ですが、フォーム改善や体力アップの他に、一般的には自分のカラダを軽くすることで、より楽に無駄なく前へ進めようになり、走力アップ、記録向上につながります。
体重を減らすためには、食事量(+)と身体活動量(生活活動と運動)(-)のバランスです。食事量より身体活動量を多くすると体重は減少していきます。ただ、ランナーの場合は走行距離を増やすことにより運動量だけを増やして減量をすることを考えがちですが、実は身体活動量のうち生活活動量も重要なポイントです。「2016大会攻略アドバイス 第1回(初級編)」の「日常の活動量を増やしましょう!」で、日常生活の中での体重コントロールの意識をも高めていき、無理なく長年にわたり少しずつ減量することがリバウンドしない正攻法であり成功法です。
④ 自分のフォームを知り、整えること
自分のフォームはどうなのか?どんなレベルのランナーにとっても関心のあることでしょう。まずは「2016年大会攻略アドバイス 第3回(共通編)」でフォーム理論を学びましょう。目指すは、無理なく、無駄なく、整ったフォームです。
それから、自分のフォーム改善を実践してみてください。屋外で三脚を使ったセルフ撮影やトレッドミル(ランニングマシン)の走行時に鏡やガラスに映る姿を見て、自分のフォームを客観視し、他のランナーとも比較しながら、改善点を自分で見つけられるようにしましょう。最近ではスマホでも高画質で超スロー動画が撮影でき、無料アプリで編集も簡単にでき、専門家でなくても分析するツールは整っています。
フォーム関して、力み、リズム感、ピッチ数は、自分で気づいたり、指摘されたりすることで比較的短期間で改善効果が表れやすいポイントです。しかし簡単には変わらないポイントもあります。筋力、柔軟性が不足しているためにそのフォームになっている場合は、時間をかけた体力アップが必要です。「2016大会攻略アドバイス 第1回(中上級者編)」の筋トレ法もフォーム改善に結びついていきますので参考にしましょう。
⑤ 練習バリエーションを増やすこと
最初は練習の継続・習慣化による体力アップ効果で毎回のレースで大きく短縮できた記録も、レースへの出場を何年も重ねていくうちに、徐々にその伸び幅は小さくなり、やがて記録は停滞しだします。その停滞を打ち破るためには、今まで行っていない練習法に取り組むことも必要です。走る回数、時間、距離を増していくだけでなく、より速いスピードの持続走(ハイペース走、インターバル走)、ペースの意識的なコントロール走(ビルドアップ走)などにも取り組み、練習のバリエーションを増やすことで走力は再度上昇していきます。「2017大会の攻略アドバイス サブ3.5・サブ4応援編②」で、このような練習を実施しているクラブやイベントに参加すると自然に効果的で効率的な走り方が身につきます。ただし、スピードやペースアップにより、脚への地面からの反発衝動がさらに大きくなるので、今まで以上に脚へのケアを怠らないこと、そして、ケガを防ぐことが重要になってきます。
以上の5項目「フルマラソンの基礎力」アップを下支えに、スタミナ不足、スピード不足、ペースのムラなど、自分の弱点克服に取り組むと、走力アップが持続し、ケガも遠ざけられる強いランナーになっていきます。
「トレーニング実践編」のお申し込みはこちら(外部ページにつながります)
※トレーニング実践編は、今回の攻略アドバイスの内容を実際に運動しながら体験していただくコーナーです。松井祥文コーチから直接指導を受けたい方は気軽にお申し込みください。皆さん走力アップしてフルマラソンへチャレンジしましょう!
【第1回 10月21日(土)14:00〜16:30 定員50名】
「第2回:~走練習を賢く安全に~「走りこみ」前の下準備」へ続く[10月23日(月)公開予定]